レディオ・バンブー ＃１
ｶﾁｯ ｶﾝｯ
ハロ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
(ﾌｧﾝﾌｧﾝ ﾌｧﾝﾌｧﾝ)
(ﾌｧﾝﾌｧﾝ ﾌｧﾝﾌｧﾝ)
(ﾌｧﾝﾌｧﾝ ﾌｧﾝﾌｧﾝ)
〈ボーカルが始まる。じわじわと下がる曲のボリューム〉
レディオ・バンブーの時間です。
はじめましてバンブー・ランスです。
バンブーは竹、ランスは槍という意味です。よろしくお願いします。
わたしのストレス発散法のひとつにレディオを撮ることがあり、それをひさびさにやろうと思ったんですが、自分の声アレルギーが再発しつつあるので文字ィオの形式をとりますね。
今月はじめに、はじめて原宿に行きました。
青髪ゴスの中年女性などが平然と歩いているわ人々が全員「おれが、わたしが原宿じゃい」というようなファッションをしているわでパワーのある街でした。
街の雰囲気によって奇抜ファッションが許容され、それがまた雰囲気を再生産し……といった、街と人の共犯関係。こういうのいいですね。
さて実はわが庭(？)京都でも同じような現象がみられ、バンブー・ハウス最寄りの中心市街地には原宿と抹茶を1:1で割ったような雰囲気が満ちています。
和服を着ている人がふつうに街を歩く環境であるのに加え、伝統工芸を今風にアレンジした高級ショップがたくさん立ち並んでいるためです。
問題なのはそんな街で服を買わにゃならんことです。「オッ」と思って店に入り、値札を見るとブチブッたまげることが多々あり、予算の10倍くらいするシャツが平然と置かれている。やめなさい。
「自分が下層であることは分かるが、どうしたら改善できるかは分からない」という中途半端さがわたしのファッションリテラシーで、懐具合を考えてもファストファッションなり古着なりを活用すべきなんですが、そもそも服を選ぼうとするとナイフのような自意識が内側から攻撃を仕掛けてきて
【悲報】バンブー・ランスさん、Sサイズを選んでしまうｗｗｗｗｗｗｗｗｗ(31)
紺色に逃げるな(48)
値札見たとたんスゴスゴでワロタ(103)
まだ全身ユニクロのやつおる？(252)
みたいに体内インターネットが騒ぐ。
四六時中インターネットしてると体内にちっちゃなインターネットができませんか？
あと髪。服と髪。
わたしは服と髪にまつわる決断がすごく苦手で、個人的にはかなりどうでもいいものなのだけど、それらを自己表現として活用している層が存在する手前、どうでもいいや状態を貫いていると「わたしはこういうやつでございます」という自己表現になってしまう。いっせーのせで一旦やめませんか？
街を徘徊し挫折を繰り返す服選びが「動」の虚無をもたらすのに対し、散髪は「静」の虚無をもたらします。
髪を切ってもらっている間、切り人とおしゃべりしたり、雑誌を読んだりするのがコモンセンスであるのは知っているんですが、今使ってるお店では雑誌の扱いがなく、しかも初回利用のとき狸寝入りを貫いたせいで、もう完全に「そういう客」として扱ってくれる。
だから毎回期待に応えて(？)狸寝入りをしているし、毎回「なんで店内BGMがお経のリミックスなんだろう」と思っている。どうしたらいいと思いますか？(無垢)
今のお店に行くのも大概怖いのだけれど、知らない店を開拓するほうがもっと怖いので終(つい)です。共感してくれる人がいたら「おれもだよ」と念じてください。
あと髪を切ってもらっている間、どう殺されるかのシュミレーションをしてしまうクセがついて、これがかなり最悪。
これは『仮面ライダーアマゾンズ』という作品の影響で、シャンプー中の「じゃあ流しますね」のタイミングで天井がパカっと開き、ギロチンが落ちてきてそのまま殺される(そして人食いのごはんになる)というシーンがある。
散髪は頻繁に視界が悪くなる(おまけにわたしは常時狸寝入りをしている)うえにうなじから上の急所をさらけ出している。つまり？デス・チャンスがもりだくさんだ。
「じゃあ流しますね」→ギロチン死
「ドライヤーかけます」→カモフラージュされた拳銃で死
「イス高くしますね」→そのまま大気圏外に追放され死
本丸である散髪パートが始まるまでに3回死ねました。こういうことを考えていると髪を切り終え店外で陽光を浴びたとたん「生きている…」と感動できます。みなさんもやってみてください。
それじゃあおわります。
よろしくおねがいします。
